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懐かしの株式市場四方山話
”株式バブル””ITバブル””ブラックマンデー”等々以前の株式市場は大きな話題を提供し、また隆盛を見わめていました。様々な法律も見直され今や昔話のようになってしまいましたが、昭和の株式しじぃうを振り返ってみます。
昭和から平成初期の
バブル期を振り返る
1. バブル経済の背景と形成
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高度経済成長期の余波: 1960年代から1970年代にかけての高度経済成長を経て、日本経済は安定成長期に入りました。輸出の拡大や国内の旺盛な消費により、企業の収益が向上し、株式市場も発展しました。
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金融緩和と資産価格の上昇: 1985年のプラザ合意後、円高が進み、日本銀行は金融緩和政策を実施。この結果、金利が低下し、株式や不動産といった資産価格が急激に上昇しました。
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過剰な投資: 投資家や企業が将来的な価格上昇を見込んで株式や不動産に多額の資金を投じたことが、バブルの形成を助長しました。
2. 株式市場の動向
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日経平均株価の高騰:
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1980年代後半、日経平均株価は急激に上昇。1989年12月29日には38,915.87円という歴史的な高値を記録しました。
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特に大企業だけでなく、中小企業の株式も投機的に買われ、時価総額は当時世界最大規模に膨らみました。
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金融機関の過剰融資:
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銀行や証券会社が株式を担保に巨額の融資を行い、それがさらに株価上昇を後押ししました。
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株式市場への新規上場企業も増加し、IPOブームが起きました。
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3. バブル崩壊とその影響
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株価の急落:
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1990年初頭に日本銀行が金融引き締め政策を実施したことで、株価と不動産価格は急落。1989年末をピークに株式市場は長期的な低迷期に入りました。
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1990年の日経平均株価は一時20,000円台を割り込み、企業や投資家の資産価値は大幅に減少しました。
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金融危機:
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株式を担保にした融資が焦げ付いたため、金融機関は多額の不良債権を抱え、いくつかの銀行や証券会社が倒産しました。
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この影響で「失われた10年」と呼ばれる長期的な経済停滞が続きました。
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4. 社会への影響
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投資ブームの変化:
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バブル期には個人投資家も市場に積極的に参加しましたが、バブル崩壊後はリスクを避ける動きが強まりました。
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経済政策の変化:
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政府と日本銀行は経済を再生させるため、金融緩和や財政政策を展開しましたが、効果は限定的でした。
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日本企業の国際競争力:
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株価の下落により、多くの企業が資金調達や設備投資に苦労し、国際競争力が低下しました。
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5. バブル期の株式市場の教訓
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過剰な楽観主義の危険性:
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市場が過熱すると、実体経済と乖離しやすくなる。
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規制と監視の重要性:
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金融機関の過剰な融資を防ぐための監視体制が不十分でした。
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持続可能な成長の必要性:
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一時的な利益ではなく、長期的で持続可能な成長戦略が求められることが明らかになりました。
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この時代は日本の経済史における貴重な教訓を残しました。株式市場や経済政策が経済全体に与える影響の大きさを学ぶうえで、非常に重要な時代です。
昭和から平成初期にかけての日本のバブル経済期(1980年代後半から1990年代初頭)は、株式市場においても重要な時代であり、日本経済の歴史における特筆すべき出来事が数多くありました。この期間を詳しく見ていきましょう。
<NTT株の新規上場>
日本電信電話株式会社(NTT)は、1987年に日本最大の株式上場を果たし、以降、日本経済とともにその株価は浮き沈みを経験してきました。
1. 華々しいデビュー(1987年)
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上場の背景: NTTはもともと国営企業でしたが、1985年の民営化政策の一環として、1987年に上場しました。これは日本の株式市場における過去最大のIPO(新規株式公開)であり、日本中が大いに沸き立ちました。
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NTT(日本電信電話株式会社)の新規上場時、1987年2月の公募価格は1株あたり119万7,000円でした。上場初日の初値は160万円を記録し、大きな注目を集めました。この価格差により、多くの投資家が利益を得、当時の日本における株式投資ブームのきっかけのひとつとなりました。
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市場の話題: 当時、NTTの株は「必ず値上がりする」と言われ、投資家たちは購入を熱望しました。その結果、上場初日は「一国一社」と称されるほどの大注目を集め、株価も大きく上昇。これが多くの日本人にとって初めての株式投資体験となり、株式市場への参加意欲が一気に高まりました。
2. バブル経済の絶頂と崩壊(1989年~1990年)
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急騰と高値更新: バブル経済の中で、NTT株は他の銘柄と共に急騰し、最高値は1989年に記録され、1株あたり約318万円に達しました。バブル景気に後押しされて、日本の経済は絶好調であり、NTT株もその象徴として「手放せない資産」と考えられました。
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バブル崩壊: しかし、1990年になると、日本のバブル経済は崩壊し、日経平均株価が急落。それに伴い、NTT株も大きく値を下げ、多くの投資家が損失を抱える事態に陥りました。市場全体の急激な変動が多くの投資家に痛手を与え、NTT株も例外ではありませんでした。
3. 低迷期と再編(1990年代後半)
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低迷期の長期化: 1990年代を通じて、日本経済は長期的な不況、「失われた10年」を経験し、株価も回復しませんでした。NTT株も同様で、ピーク時に比べて大幅に下落し、多くの投資家にとっては苦しい時代が続きました。
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NTTの再編成: 1999年、NTTは持株会社体制に移行し、NTTドコモ、NTT東日本、NTT西日本などの子会社に分割されました。これにより、NTTグループ全体の構造が整理され、新たな成長戦略が期待されましたが、株価への影響は限定的でした。
4. ITバブルの影響とリバウンド(2000年頃)
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ITバブルの影響: 2000年代初頭には、世界的なITバブルが発生し、NTTドコモが大きく注目されました。特に携帯通信市場が急成長し、NTTドコモの株価が上昇したことで、親会社のNTTも影響を受け、株価が再び上昇しました。
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リバウンド: しかし、このITバブルも長続きはせず、2001年には崩壊。NTTの株価も再び下落しました。特に、NTTドコモの一時的な成長が期待に沿わなかったことで、再び株価は低迷しました。
5. リーマンショックとその後の復調(2008年~2010年)
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リーマンショックの影響: 2008年のリーマンショックによって、世界中の株式市場が大きな影響を受けました。日本市場も例外ではなく、NTT株も値を下げました。この時期、多くの投資家がリスクを避けるために株式を売却する動きが加速しました。
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復調の兆し: リーマンショック後、日本政府の景気刺激策や金融緩和の影響で株式市場は徐々に回復し始めました。NTTはインフラ事業の安定性が評価され、株価も少しずつ持ち直していきました。
6. 安倍政権下のアベノミクスと成長(2013年以降)
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アベノミクスの恩恵: 2013年以降、安倍政権による経済政策「アベノミクス」が導入され、株価が再び活発に動き始めました。円安や株価上昇を意図した政策の影響で、NTT株も堅調に推移。インフラ整備やデジタル化が進む中で、NTTの株価も安定して成長する兆しを見せました。
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5Gと海外進出: NTTは次世代通信5Gの導入や、グローバル市場への進出にも積極的に取り組みました。これにより、投資家の期待が高まり、株価は再び上向きました。
7. デジタルトランスフォーメーションと株価安定(2020年~現在)
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新型コロナウイルスの影響: 2020年のコロナ禍により、リモートワークが急速に普及し、通信インフラへの需要が高まりました。NTTもこの需要増に応える形で株価は堅調に推移しました。
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デジタルトランスフォーメーション(DX): NTTは、国内外でのデジタル変革に力を入れ、通信事業だけでなく、スマートシティなど新しい分野への投資も拡大。これにより、NTT株は比較的安定した値動きを見せ、長期的な成長が期待されています。
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配当金と安定性: NTTは安定した配当政策を維持し、長期投資先としても評価が高まっています。
こうして振り返ると、NTT株は日本の経済成長とその停滞期を共に歩んできました。NTTの株価は、バブル期に急騰し、その後の経済の波に揺れながらも、現在は安定した企業としての評価を得ています。
<Yahooの新規上場>日本のIT市場を切り拓いたヤフー株の軌跡
ヤフー株式会社(現Zホールディングス)は、日本におけるインターネット業界の草分け的存在として知られ、その株式は多くの投資家にとって象徴的な銘柄でした。ここでは、ヤフー株の新規上場時から現在に至るまでの株価推移や、公募価格、上場時の価格を具体的に示しつつ、長期保有のメリットについても解説します。
1. 新規上場時の概要
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上場日: 1997年11月4日
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公募価格: 1株あたり167万円
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初値: 190万円(公募価格を大幅に上回る)
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上場時の話題性: 当時、インターネット関連株への期待感が高まり、日本市場での「ITバブル」の先駆けとなった銘柄でした。
2. 株価の推移と大きな動き
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1999年~2000年:ITバブル期の急騰
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1999年末から2000年にかけての「ITバブル」で、ヤフー株は驚異的な成長を遂げました。1株あたり約1億円に達し、株価の象徴的存在となりました。
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市場の期待: ヤフージャパンの急成長と、インターネット普及に伴う広告収入の拡大が期待され、投資家の注目を集めました。
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2000年以降:ITバブル崩壊
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2000年以降、ITバブル崩壊の影響で株価が急落。一時的に市場の注目度が低下しましたが、広告事業の成長に支えられ、安定した株価推移を見せました。
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2013年~2015年:再成長期
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スマートフォンの普及やEC(電子商取引)市場拡大により、ヤフーは収益源を多角化し、再び株価は安定的に上昇しました。
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2021年:Zホールディングスに商号変更
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ヤフーは、LINEとの統合を進めるためZホールディングスに改称。これにより、さらなる成長期待が高まりました。
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3. 保有していた場合の利益のシミュレーション
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新規上場時に購入し、ITバブル期に売却
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公募価格(167万円)で1株購入 → 約1億円で売却
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利益: 約9,983万円(売却手数料や税金は考慮せず)
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新規上場時に購入し、長期保有
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公募価格で1株購入 → 現在(2023年頃)、LINEとの統合によるZホールディングスの成長により、配当と株価上昇で安定的な収益。
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配当金メリット: 長期保有による継続的な配当収入。
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4. 長期保有のメリット
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成長産業への投資: インターネット市場の成長とともに、ヤフーはその基盤を築き、安定した収益源を確保してきました。
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株主優待・配当金: 長期保有することで、安定的な配当収入を得られます。また、グループ内サービス(PayPay、LINE)などの恩恵を間接的に享受可能。
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企業価値の向上: ヤフーはITバブル期を経ても、その後の事業多角化に成功し、投資家にとって安定した投資対象となりました。