1987年の値上がり株ランキング
- inokuchi
- 2024年11月6日
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新たな何か」に起因する「物語」が市場の参加者に「共同幻想」をもたらす8つの源の③大手金融機関の描くシナリオについてお話します。
前々回1985年9月22日に開催されましたプラザ合意をお伝えしました。これ自体は双子の赤字に苦慮していた米国からの外圧です。
それを受け、これまでの輸出中心の経済構造からの転換が日本は急務となります。当然、株式市場にも変化が現れます。円安を享受していた家電メーカーなどの株価は活躍の道を閉ざされてしまいました。
ここで登場してきたのが「債権国ダイナミズム」というシナリオです。日本は世界一の債権大国であることを業界トップ企業の野村證券が戦略の軸に据え、市場参加者たちの共通の夢としたのです。
具体的な戦術シナリオとしては、「トリプルメリット」、「ウォーターフロント」、そして「リストラクチャリング」です。
これらのシナリオで、輸出主導型経済から内需主導型経済へ大きく舵をきらせました。下記の表は1982(昭和62)年の値上がり株です。内需型企業が上位を占めています。
株式市場を大きく上昇させ、後にバブル景気と呼ばれた市場形成は、この野村證券による投資戦略「債権国ダイナミズム」と3つの戦術によって作り出されたものだったのです。
大手金融機関が「新たな何か」を見い出し、市場参加者を陶酔させる程の「物語」を創作し、皆が「共同で幻想」を抱いた壮大なマーケットだったのです。

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